オーストリアにある旅行会社のSTA Travelで、ANA発券のウィーン発日本往復の航空券を購入した。驚くほど安い519.74ユーロ(68,000円程度、諸税込み)なので飛びついてしまった。ラッキー。ちなみにSTA Travelはロンドンに本社がある世界規模の旅行代理店で、日本にも支社がある。
しかし、買った後が面倒だった。まずひとつ目。航空券を購入した日付でAll Nippon Airwaysの名義でカードに請求が来る。請求額492.74ユーロ。なんかおかしいぞ?と思うがとりあえず放置。
その6日後、同時にSTA Travelから郵送で領収証が送られてくる。領収額519.74ユーロ。最初の請求額と同じだ。さらにクレジットカードで引き落とした旨の利用控えが入っている。なんだか嫌な予感がする。オンラインでクレジットカードの請求を確認してみると、領収書と同じ日付けでSTA Travel名義でカードに二つ目の請求が入っている。請求額519.74ユーロ。二重に請求された。
航空券はAmadeusという予約システムを使っているのがSTA Travelからの予約確認メールでわかったので、Amadeusの予約確認サイトで航空会社(ANA)の予約番号を割り出して、今度はANAのウェブサ イトで予約番号からチケット控えを印刷して運賃の詳細を調べてみた。そうすると、どうやらANAの請求額は、航空券本体分399ユーロに、ANAが徴収する税金93.74ユーロを足したモノ であることが判明した。
これはどうやらAll Nippon Airways名義の請求がおかしいぞ、と思い、とりあえずANA欧州カスタマーセンターに調査を依頼。1日かかって欧州の本部があるロンドンと、オーストリアを担当するデュッセルドルフの支社内を調査してもらったが「そのような請求は作成が確認できない」とのこと。予約システムのエラーではないかとの回答だった。ロンドンにあるカスタマーセンターと、4回くらい電話のやりとりをした。こういうときの日本の企業の対応は素晴らしい、と改めて感心する。
しかし、いずれにしてもANAでは対応できないようなので、今度は旅行会社のオフィス(幸い研究室から徒歩3分くらいの所にある)にカードの請求明細のプリントアウトと航空券一式を持参して事情を説明したら、ウィーン市内の本部に電話をしてくれて、「ああ、うちのコンピュータの間違いだわ」ということになって、過剰に請求された額の返金がすぐに決定。カードの請求明細に二重に入っていることを見ただけで「間違いだね」と判断してしまい、その他確認は一切なし。こんな簡単でいいんだろうか?ともかく、過剰に請求された額を、クレジットカードに返金してくれることになった。
余談だが、旅行会社のカウンターのお姉さん、チョコレートムースを食べながら応対してくれた。お茶を飲みながらとか、クッキーを食べながら、くらいはよくあるけど、チョコレートムースは初だった気がする。ちなみに「お姉さん」と書いたが、日本の旅行会社の社員のイメージとは全然違って、ピアスいっぱいの高校生みたいな風貌で「Tokio Hotelのファッションを真似た」と言えばイメージが浮かぶ方も読者の中にはいるかと思う。
とりあえず、これでことが済んだ気がするが、3日経った今日になっても、カードの口座にまだ返金されてきてはいない。まあ、ここはオーストリア。焦らずゆっくり待ってみる。
5月11日追記:
その後、、返金されて無事解決。金曜の午後にSTA Travelから電話がかかってきて(最初めちゃくちゃなウィーン訛りで何を言ってるのかさっぱり分からなかった!)、オーストリアの銀行口座に返金するという。口座番号を聞かれたので、それを伝えた。その結果、5月12日付け(今日11日なんですけど)で、492.74ユーロが、自分の銀行口座に返金されてきた。めでたしめでたし。
全体としては面倒くさかったけど(そりゃそうか)、結果的に面白いことになった。クレジットカードの円建て利用枠の492.74ユーロ相当分が、比較的よいレートでユーロに現金化されて、おまけにマイレージがついてきた、ということになった。
クレジットカードに登録されている日本の口座から円が引き落とされてその額がユーロのキャッシュになることになったわけだが、不幸中の幸いといったら大げさだが、STA Travelの手違いで引き落とした日は円高が進んでいた日なので、なかなかよいレートで492.74ユーロが円に換算されていた。さらに、クレジットカードのポイントがそっくりもらえることになった。航空会社のマイレージと提携したカードなので、数百マイルが旅行会社のミスのおかげで手元に転がり込んだことになる。
この円からユーロへの交換は自分で望んで行われたわけではないから、やっぱり悔しい気もするが、まあ多少は得をしたので今回は許してあげよう。しかし、やっぱりいろいろ面倒なので、こういうミスはやめてほしい。