2週間ほど前にまとめて書いた、ブラティスラバやウィーンを拠点とする格安航空会社であるスカイヨーロッパについて、その後情勢がずいぶん変わったのでまとめておく。なおリンク先は基本的にドイツ語か英語のソースだ。
8月11日に、ウィーン空港を管理するFlughagen Wien AGから、「8月14日午後3時までに滞納している施設使用料を納付しない場合は、スカイヨーロッパのフライトへの取り扱い業務を停止する」という警告文が発せられた。
8月14日、結局スカイヨーロッパは、期限までに滞納分を納付することができなかった(ソース)。「永遠の資金難」という見出しの記事まで出る始末。ちなみに、滞納は2,000万ユーロとも3,000万ユーロとも見積もられている(ソース、ソース)
8月15日のフライトから、ウィーン発着のすべてブラティスラバ空港(約50km離れている)に離着陸させるという緊急避難的措置を実施している(詳細)(ソース)。とりあえず17日までの変更時刻がウェブサイトに掲載されているが、この文章を書いている17日午後5時前の段階になっても、18日の変更時刻が表示されないなどの混乱ぶり。
なお、この措置で、7000人が影響を受け、1?2時間の余分な時間がかかったそうだ。乗客は、ウィーン空港でチェックインをして、荷物を持ってブラティスラバ空港に行き、そこで荷物を預けて搭乗、という手順らしい。(ソース)
8月17日時点では、ORFの報道によると、ウィーン空港の管理会社にはスカイヨーロッパから支払いの申し出は出ていないとのこと。先行きはきわめて不透明な情勢だ(ソース)。巷では、「会社が運航停止に陥るのは時間の問題」「(本社が所在する)スロバキアの政府から支援を受けられるのでは」などいろいろな憶測が飛び交ってはいるが・・・
また、筆者と研究室の同僚で試してみたところ、この先の冬までのフライトはまだ予約可能な状態になっている(いったい誰が予約するんだろう?)。予約システム上の情報は、ブラティスラバから飛ぶことになっている明日18日のフライトも「ウィーンから」出発することになっていて、更新されていない。
なお、これは喜ぶべきチャンス、とばかりに、オーストリア航空と、FlyNikiが、「スカイヨーロッパで帰って来れなくなった人のために」150ユーロで帰りのフライトをオファーしているようだ。なお、同様のオファーをWizzAirも30ユーロで行っている。
なお、本日(17日)付けのDer Standardには、スカイヨーロッパの失敗の原因を分析する記事が出ている。ドイツ語が読める方は読んでみるといい。
ブラティスラバへ変更しての発着は、とりあえず「19日まで」ということになっているようだ。DerStandardの記事にルポ風のものが出ていた。
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