「日本人、やめます」とか、”Japanese”とか。

「日本人、やめます」とかは、まあ日本が二重国籍を法律で認めていない以上、言えないわけだが(日本国籍はそれなりに「便利」だからね。なんだかんだ、ビザなしでいろんな国に行けるし。この外交努力は評価したい。)、しかしメンタリティーの話しとなるとちょっと別。最近、社会的テーマについて書くことが多かったので、たまには個人的な体験をベースに書いてみようと思ったわけ。

日本での生活を経験した人、日本人と長いこと働いた人、日本人の友人が多い人、などとの間でよく使う形容詞に”Japanese”というのが、ある。日本の事情をある程度知っている人で、かつ日本を「外から」見る眼を持っている人には通用する言い方だ。私が”She is very Japanese”と言うと”I understand what you mean when you say ‘Japanese’.”とか返ってきたりする。しかしこの形容詞、なかなか上手く説明できない。

根本的に、”Japanese”という単語を使うこと自体、ちょっと差別的であり、無理がある。なるべくなら別の単語に置き換えたい。しかし、今のところ、さしあたってよい単語が見つかっていない。

そもそも、この”Japanese”という概念を説明するのが難しい。とりあえず

What should NOT a “Japanese” thing/person have? (NOT だ、念のため。)

という問いのたてかたをするなら、いくつか説明できそうだ。つまり”Japanese”として形容されるものが備えて「いない」べき物事。

一つ目には、”self-determined and independent mentality” があげられるだろう。他人の言ったことを鵜呑みにしないで、自分で考える、自分で判断を下す。自分の意志を明示できる。そういうメンタリティー。

もう一つは、”goal-oriented”だろう。現状どうか、ではなく、何をしたいか、を基準として出発する物事の考え方。

それから、暗黙の「美」に関する(日本固有の)世間的概念をそのまま受容しないこと。「白い肌は美しい」とか。(あんまり白いと、3年くらい入院してたの!?とか思うじゃん。)今日話していた内容で言えば「鼻が高い」=「格好いい・美しい」とかもそのまま受容しないこと。美の概念は多様であっていい。それから、やたら「カワイイ」を連発しないこと。「カワイイ症候群」にかかっていないこと。「カワイイ」ことが必ずしもポジティブであるとは限らない。

本音を隠さない。無駄に遠回しな言い方をしない。Straightforward な言い方ができること。

外国人と接する時におどおどしない。たとえ言語が通じなくても、笑ってごまかさずに、何とかコミュニケーションを取ろうとする。

とりあえずこれらを備えていたら、”Japanese”という形容詞でくくられたりしないだろう。

いや、何か最近自分がメンタリティーの面で”Japanese”じゃない気がするのね。”After I worked with a Japanese guy for a month in Vietnam, I realized you are not really a Japanese. You are somewhat westernized.” とか、 “You’ve never been a Japanese, right?” とか、日本人をよく(あるいはそれなりに)知っている人に、自分について言われたりもして。納得する部分もかなり多い。

そういえば、今日、日本で3年ALTをやった友人と話していた。「日本の教育方法は1920年代のままだね」「そうだね、軍事的やりかた」。こういうやり方の批判精神も”Japanese”は備えていないだろう。

あ、そういえば、最初の話し、二重国籍くらい認めていいんじゃないかと思うけどね。まさか「国籍=国家への忠誠」っていう時代じゃあるまい。身の回りには二重国籍の人がいっぱいいるし。オーストリアとイタリア、オーストリアとハンガリー、オーストリアとアメリカなど、イギリスとタイ、など、いろいろいますよ。たとえば、結婚すると自動的に国籍が付与されるイランの人と結婚した場合など、日本国籍はどうなるんだろう?

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