「さつま」という食べ物

こちらのスーパーでは「Satsuma」という食べ物が売られている。橙色をしていて、丸くて、掌サイズで、皮をむけば中身を食べられる柑橘類。そう、「みかん」このと。

オレンジでもなんでもなくて、日本でよく食べられる温州みかん(英語で「マンダリン」)。ウィーンで売られているものの産地はスペインやクロアチアなどが多く、1kgのネット入りで1.5ユーロ(200円)前後といったところだ。こちらで売られているオレンジやクレメンティヌスなどに比べて、味に甘みがあり、皮がむきやすいことなどもあって、好評のようだ。日本で栽培されてる品種が売られており、先日買ったものは「Okitsu」という品種と書かれていた。(今日買ってきたネットには名前がない。)

「さつま」という名前の由来は、日本マンダリンセンターなるところのウェブサイトによると、

出水郡東町が発祥の地とされる温州みかんは、外国ではSatsuma(サツマ)と呼ばれています。 初めて温州みかんが外国に渡ったのは、1876年(明治9年)ジョージ・ホール氏がフロリダへ苗木を送っています。

温州みかんがSatsumaと呼ばれるようになったのは、1878年当時米国の日本大使だったバン・バルケンベルグ氏夫人が鹿児島の方に頼んで温州みかんの苗木を故郷に送ったことに由来します。

現在、フロリダ州とアラパマ州にSatsumaという町があります。 ヨーロッパでも温州みかんのことをサツママンダリンと呼んでいます。

だそうで、明治初期の逸話に依るらしい。

ウィーンのスーパーでは、「Spanische Satsuma」(スペインのさつま)などと書いてあり、なんかちょっとへんてこな感じの名前に聞こえるが、味は日本のものと比べて遜色ない。時には、スペインの太陽をたっぷり浴びているからどうか、甘みが強くてかえっておいしいくらいだ。

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