厳しい競争環境にあり、さらに不景気にさらされて、倒産してしまった航空会社がいくつかある。提携関係にあった2社が似たような時期に営業停止(運航権の剥奪)と会社更生手続きの開始に入った、というのは珍しいかもしれない。
事実上の営業停止を食らったのは、イタリアのマイ・エアーという会社。イタリア北部を拠点にして、パリなど西欧と、ルーマニアなど東欧に運航していた会社だ。税の納付などが遅れたらしく(ソース1)、イタリアの航空当局から運航許可を一時的に停止させられたとのこと。これでヴェネチアの空港だけで発着回数の1割を失うらしい(ソース2)。どうやら、このまま会社は解散する方向のようだ。
一方、日本で言うところの会社更生手続き(管財人がいるらしいので)に入ったのがスカイ・ヨーロッパ(ソース3)。財務状態が悪化し、リース料の支払いが遅れたため、ゼネラル・エレクトリック系の航空機リース会社から機材の返還を迫られ、14機あった機材を10機に減らした。それでも改善せず、本社があるスロバキアの裁判所に会社更生手続きの開始を申請した模様。経営再建を前提としていて、運航や会社そのものはこれまで通り存続するそうだ。
さて、航空会社と言えば、今日、EUからドイツのルフトハンザによるオーストリア航空の買収にGOサインが出た(ソース4、ソース5)。ウィーンの空港のスロットのうち、ドイツ方面のスロットを他社にいくつか譲ることなどの条件は付いているらしい。”Austrian”のブランドネームと長距離路線は維持されるとのこと。この買収でチャンスを狙っているのは、元F1レーサーのニキ・ラウダが経営するフライ・ニキ。東欧方面への路線拡充を狙っているらしいが、当局からGoサインが出ないようだ(ソース1)。
とまあ、こんな具合で、航空会社はなかなか大変な時期に入ったようである。